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2009年3月 1日 (日)

賃上げも雇用も!

 百年に一度の大不況に「賃上げも雇用も」とは何を血迷うているのだ。正社員で組織する連合の”思い上がりだ”といった話を聞くが・・・
 確かに、政府発表の今期GDPはマイナス12.7%、戦後最大の落ち込みとなっているし、失業者は発表のたびに増え続け、遂に157,000人。3月末はもっと増える見込みといわれている。
 しかし、従業員など労働者の首を切り、家庭を崩壊させるなければならないほど、本当に企業は倒産の危機にあるのだろうか。国内総生産が落ち込んでいるというが、生産調整(在庫整理)の意味合いが大きいのではないか。それが証拠に、春以降、生産量を増やす意向を表明している企業も出始めている。
 むしろ、危機を利用し、「危機への悪乗り」によって労働側の攻勢を回避しようとしているのではないか。この際、「余剰人員」を整理し、スリム化と業態転換を図って行く。あるいは「危機」を誇張することで社内外を引き締め、雇用維持を理由に労働側の賃上げ攻勢を跳ね返す。このような隠された狙いがあるのかもしれない。
 春闘本場を間近に控え、企業は「内部留保」をめぐって、必死に防戦を張っている。経団連の機関誌「日本経団連ニュース」では「意義の再確認が必要」として「内部留保で雇用問題の解決は困難」という記事を掲載し、トヨタは全従業員に「内部留保と雇用について」と題し「内部留保は、事業の継続・成長のため設備などに投資されおり、手元資金とは異なる」、「手元資金の取り崩しによって、雇用の前提である事業活動継続が脅かされる事態は避けなければならない」など、人事部作成の文章を配布した。
 3月末までに仕事を失う非正規の労働者は、派遣業界団体の推計で40万人といわれている。一方、製造大企業(資本金10億円以上)の内部留保は97年から07年の10年間で32兆円も増え、120兆円にもなっている。このわずか1%で40万人を1年間雇用(年収300万円×40万人=1.2兆億円)できる。1%でも内部留保が減れば、事業の継続が不可能になるとでも言うのだろうか。
 内部留保を事業の継続や成長のため「設備投資している」といっているが、土地や機械、設備などの有形固定資産は、逆にこの10年間で1.5兆円減っている。内部留保のごく一部を雇用にまわしたからといって、設備投資が滞るだろうか。
 この間、労働者の実質賃金は全く上がっていない。労働分配率はこの10年間で6.7ポイントも落ち込んでいる。反面、役員報酬と株主配当は大幅に上昇した。
 製造業大企業の配当金総額は5.7兆円(07年度)にもなる。トヨタの名誉会長の豊田章一郎氏は15.6億円、あの日産のカルロス・ゴーン氏でも1.2億円の配当を手にしたといわれている。
 ソニーのように、16,000人のリストラを計画、赤字を予測しながら、配当は増額する計画の大企業もある。
 この間、賃上げを求められた時に、経営側はなんと答えたか。「いざというときのためにとっておく必要がある」と答えたはずだ。百年に一度の大不況という危機に直面している「今」以外に、”いざというとき”があるのか。
 いまこそ、この間ため込んできた内部留保を取り崩し、様々な引当金を使って、雇用を維持し、賃上げの原資にあて、内需拡大による建て直しを計るべきだ。 


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